ベタ塗の絵をパスの線へ変換する:Illustrator

ベタ塗の絵をパスの線へ変換する:Illustrator

イラストレーターを使って塗りのエリアがはっきりした手描き、またはレンダリング画像をパスのライン(塗りのままではなく)に変換してエフェクトをつける手順をメモとして残す。メモなので技術的に新しい所はない。知ってる人は知っている。

※ その後 Animateでも同様の対応をしてみた。こちらのほうがおすすめかも。

元画像と変換結果

↑ 元画像。色の境界がはっきりした線なしベタ塗りの物を用意する。これは手描きで作ったものだが、3Dツールからレンダリングしてもいい。色情報は捨ててしまうのでエリアが明確に分かれていればよく、IDマップのようなものでもいい。

パスのラインへの変換結果。ここではブラシエフェクトでペン画のような見た目にしてある。

↑ パスなので当然コントロールポイントなどで編集できる。ブラシエフェクトが付いたまま編集もでき、これはリアルタイムCDではできない芸当である。便利だ。

パスの線への変換の手順

元絵の読み込み

イラレで新規ドキュメントを作り(この例ではCMYKで進めたが人によってはRGBの方がいいかもしれない。)、元絵をドラッグ&ドロップ等で読み込む。

ここ最近(2023年)のイラレの場合、画像を選択すると画像トレースボタンがすぐ下のバーに配置される。

画像をトレースする

上記画像トレースボタンを押すかメニューの オブジェクト→画像トレース→作成 を選ぶ。

するとおそらく意図した状態にならないが先に進む。ここでは色が濃い部分だけがトレースされた。

トレースを調整する

メニューの ウィンドウ→画像トレース から画像トレースオプションを表示する。

上にあるアイコンを適当に押すだけでカラーやらグレースケールやら好みのトレース結果が見つかるかもしれない。今回はアウトラインだけを取り出すのが目的だがアイコン一番右のアウトラインプリセットは求める状態にならないので使わない。まず一番左の自動から―を押す。

元絵と変わりがないようにも見えるがパスになっている。このまま先に進んでもいいが、白目部分が顔のグレーと一体化してしまっているのでカラーの数を増やす。

ここては94色まで増やしてわかりやすいようにプレビューをトレース結果とアウトラインにした。まずトレースまではこれで成功となる。

このように色数を増やすとゴミのパスが多くなったりもするので、元素材の段階で必要なら&可能なら色がはっきり出るように画像編集を加えておくのも良い。また同じ色だとパスも一体化してしまうので、そこも違う色にしておく必要がある(もしくはパスにしてから切り離す)。

なお、元画像はそもそも正しい色で塗られている必要もない。3DCGツールからIDマップを出して処理する作例を後述する。

パスを編集可能にする

このままだとパスに変換されていても編集できないので分解する。メニューから オブジェクト→画像のトレース→拡張 を選択する。拡張というのはexpand・展開するか何かの翻訳ミスだろうか。

色ごとにパスが分解して編集できるようになった。ここではさらにバーにあるグループ解除を押して編集しやすくした。

線に変換する

オブジェクトのプロパティで塗りを線にするだけでよさそうだが、編集しやすくするため下ごしらえをする。まず背景やら周辺を他のオブジェクトに囲まれているオブジェクトを削除する。

これで線に変換後扱いやすくなる。やらなくてもいいし、線へ変換後に対応してもいいがこの段階の方が削除オブジェクトを選択しやすい。

この状態で全選択をし塗りだけの状態から線だけの状態に変換する。

これで完成。でもいいのだが。

不要な線の削除と整理(オプション

よく見ると微細なゴミがあったり同じ線がかさなっていたりして、この後の絵を仕上げる作業で邪魔になる(事もある)ので不要な物を削除していく。この作業を楽にするため塗りがある段階で明らかに要らないオブジェクトを先に削除しておいた。気にならない部分は作業する必要はない。

不要な線とはこのような部分で鼻と髭、鼻と目で線が重なっている部分がある。これを修正してみるが、鼻の線を一部だけきれいに消すのは可能だが難しいので髭と目のパスの一部を削除する。

パス消しゴムツール・ナイフツール・ダイレクト選択ツール・その他を駆使して削除する。なんだかんだダイレクト選択ツールやパスの直接編集が万能である。

鵜の画像は目と髭はダイレクト選択ツールで削除した。この作業では消しゴムツールは使えない。鼻の部分のように消した部分にもアウトラインがついてしまう。

ここで使うべきは消しゴムツールではなくパス消しゴムツールだ。イラレは高機能だがややこしい。

不要な線の削除と一部編集を行った結果このようになった。この作業はパスの整理作業はやりたい場合のみやればいい。

TIPS:基本的にダイレクト選択ツールのみで削除を進められるが、目的の制御点が選択しずらい場合、CTRLクリックで通常選択ツールに一時的になるのでパスの編集モードに入り彩度ダイレクト選択・削除する。線を複数に分割する場合はダイレクト選択ツールだけで対応が難しいことがあるのでナイフやパス消しゴムで分割してからダイレクト選択で削除する。

ブラシエフェクトを適用

線にはブラシエフェクトを適用できる。ここでは外部サイトで買ったブラシを適用したが、イラレデフォルトでもよいものがいくつもある。

これはパスであるので当然ブラシエフェクトが付いたまま形状の編集が可能である。エフェクトの切り替えもできる。さらにブラシエフェクト自体がパスなのでアウトライン化ができる。これはすばらしい。ブラシによっては形状のパラメータ調整も可能だ。

3Dツールとの連携

3Dツールでマテリアルマップ・オブジェクトマップや手作業で領域カラーマップを用意してやればそれを元に線画が作れる。正確なイラストを描く際にそのまままたは編集前の下素材として使えそうだ。

この場合なるべく色数を少なく指定したほうがにじみ部分などを拾わなくなって良い。

鉛筆のようなブラシエフェクトを適用した例。腕のつなぎ部分など絵として必要なさそうな部分は削除したが、あとは汚いパスのままでもこのようなアナログ風フィルタであればそこまで気にならない。

CG感は残っているがイラレ側で調整すれば問題ないだろう。もちろん3Dモデル側やカメラ側でパースや画角を調整してもいい。

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